尼御前
現役時代、金沢に単身赴任していた時代がある。仕事で福井へ行くことがたびたびあり、この尼御前のサービスエリアで一休みすることもあった。海側のサービスエリアの裏から外に出ると眺望のいいところがある。そこに名前の由来の尼御前の像があって、私のお気に入りである。
私の知っている女性の像で最もその容貌が美しい像だと思う。うら若い、少女にも見えるこの女性には哀しい話がある。この尼御前は義経が陸奥国へ落ち延びるときに同行していたのだが、このすぐ先の安宅の関で、女性である自分が同行していては一行がとどめられて義経に危難が及んでしまうと考え、この裏の断崖から身を投げたのだ。安宅の関での『勧進帳』はそのあとの話だ。
見下ろす海には波が打ち付けている。
地質は砂岩のように見える。東尋坊あたりとはまるでちがうようだ。
西側は日が傾いて逆光に海が輝いている。
崖の途中の階段から白山が見え隠れしているが、断片的にしか見えない。ようやく一カ所こうして撮ることが出来た。その名の通りの雪をかぶった白い山になっていた。
コメント