第一次世界大戦から始まった
NHKドキュメント『新・映像の世紀』の第一回は小型ムービーカメラによる第一次世界大戦の映像から始まった。そこに映っていたのは巨大地雷の大爆発の映像であり、塹壕の兵士たちであり、そこから突撃していく兵士たちのすがたである。戦争の転回点となったこの戦いと大爆発を「ソンムの戦い」という。
そのソンムの戦いの陰でこの地雷を仕掛けるために地下トンネルを掘った技師たちを描いたのが先日観たばかりの『アンダー・ウオー 地下道爆破計画』だったことを知った。この「ソンムの戦い」はイギリスでは知らない人がなかったという。
この第一次世界大戦についてのドキュメントは、繰り返し観て、二十世紀というものについての世界観のベースに繰り込みたい。それほどの示唆に富む情報が満載されている。
随分前であるが、『ドキュメント昭和』という表題だったと思うが、昭和という時代を網羅的に映像化した番組があって、それは全九冊の本にもなった(処分してもう手元にないのが残念)。その全てを購入して、昭和という時代、日本と世界、特に日本とアメリカとの関わりについて大いに知ることがあった。その第一巻が『ベルサイユ条約』であって、ベルサイユ条約は昭和ではないが、戦争の世紀である二十世紀を決定づける出発点であることから、昭和を語るにはここから始めなければならないのがよくわかった。そしてもちろんベルサイユ条約が第二次世界大戦をもたらした条約であり、ヒトラーという鬼を産みだしたものである。
それらを総合してみていけば、ただそれが過去の戦争を見ていくということではなく、まさにいま、世界がその時代の流れに酷似していることに気がつくのだが、そういう見方ができるひとがどれほどいるのだろうかと思う。また同じような経緯をたどり、戦禍は取り返しのつかない人類滅亡に向かうのかと絶望的になる。人類が滅びてしまえば、こうして歴史を見直すことも出来なくなるのだけれど・・・・。
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