勝手読み・朱建永
朱建永氏が語る中国は、こうだったらいいなあ、と思う中国で、そう思うのは日本のいわゆるリベラリストの思う中国である。朱建永氏が本当にそんなことを信じているのか、そう語ることが中国の説明として都合がいいと考えた上の計算ずくであるのかはわからない。ごくたまに本気らしいと思わせるときがあるのだが、一度中国で長期間拘束されて以後の彼は以前の彼ではない。以前の彼は中国に希望を持っていたように見えた。
彼がテレビ局に招待されて意見を述べるとき、中国当局と打ち合わせての上だと思われる。なぜなら朱建永氏は自分なりに中国に良かれと思うことばを選んで語ってきたはずなのに、中国に帰国したときに当局に拘束されたからだ。彼も確認をしなければ自分の身が危ういことを身にしみて知らされている。だから彼がムキになって論理を外してまで過剰に中国の立場を擁護するのは見ていて哀れを催す。こういう仕事を続けて生活しなければならないのなら、自分の内部で分裂したまま生きなければならない。彼だけではなく、知識と理性のある中国人の多くはそのような分裂を抱えて生きているのだろう。
日本に帰化して中国を激しく批判している石平氏と、中国擁護に終始する朱建永氏は全く正反対に見えているけれど、実は心情は最も近いのかも知れない。だから彼は当局に拘束されて洗脳を受けた(私の想像です。した方もされた方も、洗脳したとかされたとか言うはずがないからわかりません)のだろう。
報道なので対立意見というものを取り上げることも必要なのでしょうが、
あの考えが本当ならば、なんとも恐ろしく愚かなことと思います。
彼のあの喋り方には哀れささえ感じられました。
逆に宮家さんのクールさが引き立つ結果となりましたね。
投稿: のみすけ | 2021年12月 8日 (水) 18時10分
のみすけ様
ものを考える基準がまるでちがう人がいる、ということを知るために大変参考になります。
ただし確信して言っている人と、身を守るために言わざるを得ずにいっている場合とがあって、朱建永氏の場合は見ていて痛々しいですね。
投稿: OKCHAN | 2021年12月 8日 (水) 23時52分