失望の底抜け
一連の政治の出来事を見ていて、多くの人が政治に失望していると思う。もともと政治に失望している人が多いからこその投票率の低さだけれど、それでもかすかに希望を持っていた人々にも一連の出来事はさらなる失望を味合わせたと思う。失望の底が抜けてしまったような気がする。そのことの恐ろしさを自民党は次の参議院選挙で痛烈に味わうことになるだろう。自民党は、今回の衆議院選挙での立憲民主党の思わぬ自滅で勝ったつもりになっているらしいが、とんでもない勘違いである。
子供のいる所帯への金のばらまきが、選挙目当ての公明党のごり押しだとだれもが感じているところへのクーポン配布のための経費の話である。一括払いでは子供への本当の手当になるかどうかわからないという批判を懼れて、公明党はさらにややこしいことにしてしまった。問題はそのことに対しての自民党の面々の国民に対する白々しさである。問題を問題として受け止める気がないということを天下に示したと言っていい。他人事なのである。
泉田議員と星野新潟県議の騒動は、だれが見ても星野氏の負けであるようにしか見えないし、マスコミは猫が捕らえた鼠をいたぶるように、星野氏にマイクを向けて、彼が見苦しく逃げ道をさぐっているのを笑いものにしている。哀れとしか言いようがない。もちろん自らが招いたことなのだが、自分のしたことがなぜ非難されるのか理解する知性を欠いているから、まだ非を認めることが出来ない。
海外から日本への入国規制が、日本人の帰国者にも一律適用されるという、およそあり得ない指示を国交省が各航空会社に通達したことは、大いに問題である。問題を指摘されてあわてて、役人が勝手に行ったことで大臣も首相も知らなかった、と言い張っているが、本当ならとんでもないことだし、知らされなかった大臣や首相はアホである。アホだと罵られても自分たちが指示したことと認めるよりもいいと考えて役人を人身御供にしたならそれ以上に問題だ。
ちょっとほとぼりが冷めたからと、好きで海外に行った人間をどうして受け入れるのか、と考えた国民もいるだろう。たぶん今回の指示を出した人間の心にもそういう気持ちがあったかも知れないし、そう国民が思うだろうと勝手読みしたともいえる。しかしそういう人間もいたかも知れないが、多くはビジネスで出張していた人々や海外で暮らして活躍している日本人である。その人たちを閉め出すなど、国の体をなしていない。橋下徹氏が全く同じように激しく非難していたが、同感である。そのことに気がついて言い訳のために役人のせいにしたのか。それなら政府の責任とは何か。知らなかったで済むと思うその甘えと驕りに吐き気がする。
岸田内閣の支持率は上がって安泰に見える。しかしその水面下で続くほころびに対する怒りと失望はじわじわと政権にボディブローで効いてくるだろう。何しろこれだけ重大な問題を自分の問題として考える様子が少しもうかがえないのだから。
あとで気がついたけれど、文書交通費百万円のことを書こうと思っていたのに忘れていた。茂木幹事長のの言い訳を聞いてガッカリしたことだけ記しておく。
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子を持つ娘が、「どうして、学校の教材費や給食費に充てないのなあ?
そして、何か月間がそれらが、無料になってくれたら、助かるし、国の分配に要する費用も節約できるのに」って。私は、もっともな意見だと思いました。
投稿: y | 2021年12月 7日 (火) 15時46分
y様
子供がいても子供のための支援金を子供に使わない親もいるでしょう。
しかしそういうまともではない親はわずかで、ほとんどの親は子育て支援金を子供に使うだろうと思います。
一握りのまともでない人への対策として経費を空費することはおかしなことです。
ただただ批判を避けるための無駄な金のように思いますが、その正論が通らないおかしなマスコミや、批判に対する政治家の忖度が腹立たしいのです。
投稿: OKCHAN | 2021年12月 7日 (火) 16時04分