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2022年3月25日 (金)

洗脳

 NHKのドキュメントで『精神改造 恐怖の洗脳計画』という番組を観た。たまたまその前にドラマのシャーロック・ホームズで極悪な男に洗脳されてしまった若い女性を救う話を見たところで、洗脳によって愛という名を借りた強い思い込みを獲得してしまった人間の恐ろしさを思い知らされたところだった。オウム真理教の刷り込みもそのようなもので、多くの新興宗教は、そのような洗脳を布教の道具としている。詐欺事件の多くもそのような思い込み、刷り込みを手段とする。不思議なことに、そういうものに自分は影響されないと確信する人ほどころりと洗脳されてしまい、しかもその洗脳が解けにくいという。

 

 アメリカがその洗脳の恐ろしさを真に知ったのは、朝鮮戦争で北朝鮮の捕虜になった兵士達によってであった。その洗脳は強固で、おそろしいものだった。すでに第二次世界大戦でもソ連や中国によって捕虜に対しての洗脳が行われていて、戦後解放された捕虜たちは強固な思想的な偏向傾向を示し続けた。

 

 ドキュメントでは、ドナルド・ユーウィン・キャメロンという、イギリス生まれのカナダの精神病理学者が取り上げられていた。彼はフロイトの精神分析による精神病の治療では効果が弱いと考え、新しい科学的な、つまり物理的な方法を模索した。精神病は何らかのトラウマが脳に影響をあたえているものだと考え、そのトラウマを除去する、彼によれば「白紙化」することで治療が可能だと考えた。

 

 白紙化の方法として、患者に対してインシュリンショック療法、電気ショック療法、マラリア療法などの人体実験をくり返した。一時的な効果が出る場合があったが、廃人となってしまうケースも多かった。ところが「白紙化」という考え方に目をつけたのがCIAだった。こうして治療のための手法が洗脳へと転じていく。それはMKウルトラ計画と呼ばれるおぞましい人体実験だった。

 

 このキャメロンという学者は、アメリカ精神医学会、カナダ精神医学界、アメリカ精神病理学会、世界精神医学界の会長を歴任している。多数の患者に人体実験を繰り返すことで、精神医学に多くの貢献をしたということなのだろう。精神医学界の暗黒面を感じさせてくれる話である。

 

 洗脳の手法はさらに洗練され、巧妙化している。われわれは知らず知らずにそのような手法をシャワーのように浴びているのかもしれない。おそろしいことである。

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コメント

こんばんは
『カルトの子たち』という本によれば、洗脳を初めて(その名称が存在しなかった時代です)に行っていたのはあのヤマギシ会だったそうです。彼らは特別講習という名前(でしたか?)で「自我を取り去る」ために洗脳行為をしたと言われています。
これは中国で「洗脳」という言葉が出てくる前の話だそうですね。いやあ、恐ろしい限りです・・・。
では、
shinzei拝

shinzei様
心理学や精神病理学がこのような目的に応用されていることにあらためて恐ろしさを感じました。
ヤマギシ会は愛知県の知多半島にも大きな農場を持って大々的に活動していましたが、いまも活動しているのかどうか知りません。
正しいことを実践するために意識を「白紙化」するという洗脳が行われていたのかもしれませんね。

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