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2022年3月 9日 (水)

こんな風です

 梨木香歩の『家守奇譚』の話を書いたが、読んだことがなければ具体的にどんな風なのか判らないと思うので、ほんの一節を紹介しておく。『葛』という話の冒頭である。

 

 黒い小さな虫が腕の辺りを歩いていて肘の近くで止まった。そのままそこに馴染んだ、と思ったらほくろになってしまった。こすってもとれない。しかしさっきまでは確かに虫だった。私の肘の小さなほくろなど、誰も気づきはしまいが不思議なことである。些細なことであるから、まあいいだろうと鷹揚に構えていたが、どれくらいの不思議まで人はそういって許せるものなのか、ふと気になった。
 が、まあ、いいだろう。目に映ることを記録しておくまでだ。

 

 不思議なことを不思議だと感じながら、まあいいだろう、という主人公はさまざまに不思議な出来事を受け入れていく。それを読みながら、読んでいるこちらもそれに倣ってその不思議な世界を受け入れていくことになる。いいなあ。

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