北東向き
川と宿との位置関係から、部屋の窓は北東向きだろうと検討をつけていたが、今朝七時前にチラリと朝日が覗いて、それが確かであることを知った。五時前、夜が明けてまもなくの頃に朝風呂に入ったときは雨が降っていたが、まもなくしたらやんだようだ。
露天風呂から眺める片品川は、昨日以上に激しく流れ下っている。両岸にわずかな戸数の集落がある。その奥には低い山が迫っているが、高さはそれほどではない。その上に、もやのような雲が被さっていた。片品川が川底を削り続けてできたわずかな谷の両岸に温泉が点在している。対岸には大きな木が覆いかかるようにしていて、木下闇を作っている。
露天風呂は四阿のように瓦屋根がかかっているから、雨が降っても風さえなければ濡れることはない。よく見ると柱が二本しかない。長方形の一角と、その横の長辺の真ん中にならんでいる二本だけで重い屋根を支え続けているのだ。不安定な作りだけれど、これで大丈夫なのだろう。
床は切石が敷き詰められていて、風呂も岩風呂ではなく、切石を長方形に積み上げて作られている。昨夕には少しぬるすぎるくらいだったけれど、今朝は41℃くらいで私には適温だ。床は場所によってヌルヌルしていて滑るので注意が必要だ。こういう露天風呂では大抵いろいろな虫が飛び交い、湯に飛び込んだりするものだが、ここにはほとんどいないのがありがたい。
昨夕は舞茸ご飯が美味しくて少々食べ過ぎてしまった。宿では昼食は出ない。頼めば出前くらいは取れるだろうが、あえて昼を抜いている。だから夕食はことさら美味しく感じられてしまい、食べ過ぎてしまう。それにいくつかの具と舞茸を油で炒め煮してご飯と炊き込んだ舞茸ご飯は、見た目は黒くてあまり良くないが実際に美味しいのだ。ふだんは、ご飯はおかわりしないことに決めているのについ二杯目いただいてしまった。
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