ポイント制
ポイントというのは上手く使いこなすとありがたい方式なのだが、使い方がよくわからないうちは面倒なものである。スーパーのカードなど、ポイント還元の恩恵があるし、レジはスムーズになるし小金をもたずに済んでありがたいのに、財布でもたもたすることの多いお年寄りほどちゃんと使っていない。年金暮らしで苦しい、などという人ほどそういうポイントを活用していないような気がする。
ポイントというのは客を寄せるためのシステムである。ポイントを還元することで客が増えるのはもちろん、省力化にも寄与して提供側にも利益がある。そもそも企業などは利益がないことを積極的にやるはずがないのであって、利用できるものは利用しないと不公平になる。小銭の支払いでもたもたしている人は、廻りに迷惑をかけながら自分も損をしている。
ところで電力不足対策として政府が電力使用削減努力に対してポイントをつけるという。批判的な向きもあっていろいろ議論があるらしいが、私はよい策とは思わない。そもそも電力が足らないと聞けば、黙って電力消費を減らす人が多いのが日本の国民である。ポイントで、つまり金で釣られるのはあまり努力をしていなかった人ではないか。なぜならなにもしてこなかった人は省エネの努力は数字に表れやすい。いままで、無駄をしていたのだから。いままでちゃんと努力してきた人はもうそれ以上あまり削減できないからポイントにならない。
電力使用削減ポイント策はそういう意味で不公平だと思う。そしてそれはそういう人にこそ削減して欲しいという政府の思惑でもあるのだろう。わずかなことだけれど、そういうキリギリスに手厚い施策をする岸田内閣に違和感を覚える。
思い切って計画停電するのがリスクが低くて(ブラックアウトにならずに済む)一番良いそうなのだが、岸田さんという人はそういうことのできる人ではないようだ。


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