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2022年6月 3日 (金)

原価意識

 販売価格がそのまま利益だと思っている人がいる。価格には原料代と流通費、包装容器代、人件費、その他経費(販売経費、生産拠点の維持費、税金他)などが含まれていて、利益は価格の中の一部である。それぞれの経費が上がれば価格に上乗せされる。それを吸収して顧客に迷惑をかけたくないなどときれいごとを言っているのは、それでもなんとかなるほど今まで十分な利益があったからだろう。そうでなければ会社は潰れる。潰れてしまうほど無理をするのは競争があるからで、不思議なことに日本では潰れるまで競争してしまう傾向があり、生き残るために無理をして価格競争して潰れる、などと言うことがしばしば起こる。

 

 こんなことは社会で生きていれば分かるはずだが分からない人もいる。しばしば働いた分だけ給料をもらうのがとうぜんで、自分の給料はそれに見合わないという人がいる。もちろん実際に低すぎることも多いが、たとえば一番わかりやすい例で、営業として会社にもたらした自分の利益は全て自分の働きだからその分を会社に報酬として求めるような考えの人間もいたりする。それでは会社は成り立たない。

 

 こんな自明なことをくだくだしく言うのは、万引きに対する社会の甘さに腹が立つからだ。本屋が潰れる最大の原因が万引きだというのはよく知られている。本は原則として仕入れ代がかからない(再販制度という、売れなかったものは返本できるシステムによる)から、売れば必ず一定の利益が得られる。もちろん経費はかかるから、その利益から人件費をはじめとした経費に使われる。その利益率はさまざまあるらしいが、あるニュースでは5%程度の利益率だと報じられていた。その5%から店舗の維持費、人件費などを引いていくから、純益は2~3%なのだとされていた。

 

 しからば一冊万引きされればそれを補填するために三十~五十冊をさらに売らなければならない計算になり、一日百冊売る店で二冊、三冊と万引きされれば店は成り立たず、潰れてしまう。罪は重いのだ。それが軽く見られるのは、冒頭に書いたように、千円の本を売れば千円利益が上がって居るのだから一冊や二冊くらい、という思いにつながっている。ほんの出来心でいたずらに近い、などという言い方をする馬鹿者がしばしばテレビでしゃべっているのを観ると腹が煮えくり返る。

 

 万引きは窃盗で、即刻警察に通報し、処罰するのがとうぜんだ、という世のなかに変わらないと、万引きは減らないと思う。罪の意識がないと罪を犯してしまう人間が一定数いる。それが犯罪なのだと意識させないとならない。

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