意見の相違
アメリカで、最高裁がニューヨーク州の銃規制を憲法違反だとする判決を出し、さらに中絶規制を認めることは憲法違反ではないという判決も出した。これでは西部劇の時代へ逆戻りするような時代錯誤の判決だ、とリベラル派は批判している。中絶規制は多分に宗教的な意識を原点にしていて、その点についてはいまの普通の日本人の感覚とは相容れないし、銃そのものが認められていない日本から見れば、銃規制が憲法違反であるアメリカという国というのが不思議で異様な国にすら見える。
こういう、賛成か反対かがはっきりしすぎていることについては、相手に対する妥協はあり得ず、折り合いがつくことはない。そしてそのことをもって国民の分断だ、と言う捉え方をしてしまえば、国の統一そのものが危ういことになってしまう。ついには相手を打倒しなければならない、ということになりかねない。
BSNHKの海外ニュースで、フランスの放送局が伝えていたが、ウクライナ東部でウクライナ側が市民を命がけで避難させようとするなかで、頑として危険な場所に居座る人たちが少なからずいる様子が報じられていた。親ロシア派の彼らはウクライナ側に避難したくないのである。それはわからないことはない。しかし彼らが口々に言っているのは、そもそもいま彼らの周辺を砲撃しているのはウクライナ軍であって、ロシア軍ではないのだそうだ。そしてロシアが救出してくれるのを待つというのだ。
ウクライナ軍が市街地の、しかも市民の居住地を砲撃している、などという情報は今のところ見たことがない。それはウクライナのプロパガンダによって隠されているのだろうか。そんなことは信じられないし、それを信じたとたんに世界の見え方が変わってしまうし、そんなものの見方は受け入れがたい。しからば避難拒否の人たちに語りかけることばはあり得ないことになってしまう。
世界はことほど左様に分断し、互いが相手の言うことを受け入れることが出来なくなっている。まるで宗教戦争の時代のようですらある。そのときになにが有効なのか。私にはわからない。わからないから絶望的になる。「外交で解決を」と語る福島瑞穂女史の信念が幸福に見える。
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