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2022年6月 7日 (火)

『温泉百話 東の旅』(ちくま文庫)

 作家や著名人の温泉に関わる話がたくさん収められている。編者は種村季弘と池内紀だが、東の旅は種村季弘があとがきを書いているから、彼が主に東の旅を担当したのかと思う。明治から現代まで、時代が幅広く、そして随筆風のものもあり、また小説の抄録もある。

 

 無理に集めたものではなさそうだが、面白さで言えば、つまり私の感想で言えば玉石混淆という所がある。先般は田中康夫の一文をけなした。同じような小説でも、神吉拓郎の『病気』という一文などは段違いに好い。出色は若山牧水の「みなかみ紀行(抄)』。この人の健脚であることがよくわかるし、むかしの旅というのはどういうものだったかもわかる。同様な感想を持ったのは辻まことの『引馬峠(木賊、湯ノ花、檜枝岐)』。これも素晴らしい。川端康成の『伊豆湯ヶ島』はあの『伊豆の踊子』を連想させるし、志賀直哉の『草津温泉(抄)』もさすがに読ませてくれる。好きでもあるからだろう。

 

 現代にそこを訪ねても同様の感興が得られるかどうかわからないが、文章を連想することでオーバーラップして見えるものがあるかもしれない。そういう楽しみを愉しむのに手がかりになる本だ。

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