映画『全てが変わった日』
2020年アメリカ映画。ダイアン・レインとケヴィン・コスナーが初老の夫婦役で主演している。夫婦と息子夫婦、そしてその一粒種の孫と幸せに暮らしていた家族だったが、息子が不慮の事故で死んでしまう。ほどなくして息子の妻は再婚し、孫とともに家を出て行く。
ある日、孫に会うために出かけて、嫁と孫が住んでいたはずの家から急にいなくなっていることを知る。どうして何の連絡もなしにいなくなったのか。不審な兆候を察知した夫婦は嫁の再婚相手のふるさとに向かう。
「失われたものの積み重ねが人生だ」と夫が言うシーンが沁みる。もちろんそのひとつ、最も大きな喪失は息子の死である。失われかけた孫との絆を求めて夫婦が向かった先で体験したのは異常な家族との恐怖の出会いだった。絶望的な状況のなかで、彼らは失いかけた者を取り戻せるかどうか。必ずしもハッピーエンドとは言い切れないラストの朝日が美しい。かけがえのないものを取り戻すためには、自らを失うことをおそれてはならないのだ。
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『Dr.パルナサスの鏡』(2024.10.08)
- 前回に続いて(2024.10.04)
- 『フック』(2024.10.04)
- 『サンクタム』(2024.10.02)
- 『ロード・オブ・ザ・リング』(2024.10.01)
コメント