金井美恵子『本を書く人読まぬ人とかくこの世はままならぬ』(日本文芸社)
金井美恵子は1947年高崎生まれの作家。この本は彼女のエッセイ集で、PART2もある(読み始めたところ)。高校を卒業した翌年に書いた『愛の生活』で太宰治賞を受賞。その頃高校生だったわたしは文芸雑誌をときどき読んでいて、彼女の文章に出会った。
彼女は映画好き、猫好きで、そのことで彼女には親和感があるが、彼女はかなり個性的というか癖があり、好みが分かれるだろう。短編をいくつか読んだことはあるが、私は熱心な読者ではない。エッセイもしばしば一つのセンテンスが延々と続く書き方で、集中して読まないとなにが言いたいのかわからずに迷子になる。
とにかく右派というより保守的な人を毛嫌いする傾向があり、江藤淳などはバッサリ切って捨てられている。ただ、彼女がそうであっても、私はそういうことにはいいかげんでこだわりはないから、ややこしい感性の彼女の文章がときどきはわかるので嫌いではない。彼女が批評で取り上げる映画はほとんどヨーロッパ、特にフランスの映画が多い。ハリウッド映画にはあまり食指が動かないようだ。あまりわからないけれど気になる作家である彼女の文章からは、けっこう影響を受けているかもしれない。
それにしてもこの長い題名は迷惑だ。
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