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2022年7月24日 (日)

風も静かで

 本日は昨日同様に快晴ながら風がなく、昼前から室温が30℃を超えている。今日も好天の予報なので、久しぶりに早起きして知多まで出かけて海風にでも当たろうかと思いもしたが、昨日昼間はぼんやり、しばしばうつらうつらしたせいで、夜になってかえって眠れなくなってしまい、今朝の寝起きはすっきりせず、結局出かけそびれて、ただ洗濯をしたのみ。

 

 何冊か本を読み終えたので、新たに『鏡花随筆集』と『吾輩は猫である』の二冊を加えた。『吾輩は猫である』は、もちろん内田百閒の『贋作吾輩は猫である』を読了したので、もともとの漱石の方を読み返してみようと思ったからだ。この『吾輩は猫である』はだれでも知っているる小説だけれど、はたしてどれだけの人がちゃんと読んだことだろう。意外と長いし、けっこうすらすらとは読めそうで読めない本である。私も昔読んだけれど、ちゃんと読んだと言うほど丁寧に読んではいない。登場人物の会話の妙を理解するにはそれなりの知識が必要だ。ちなみに内田百閒は歴とした漱石門下のひとりである。『贋作吾輩は猫である』については別途ブログを書くつもりだ。

 

 『鏡花随筆集』は最初の方が明治時代に書いた文章で、鏡花独特の美文調のうえに文語文なので樋口一葉の文章を読む程度には読み難い。大正以後のものはかなり口語文になっていくので、読み進めるためにはもう少し我慢が必要だ。

 

 『北国空』という、鏡花の生まれ育った金沢の冬の生活を書いた文章がとても好い。外はしんしんと雪が降る。家族は皆炬燵に集まって和気藹々、そこへ訪ねて来た話し上手の叔父の雪上臈の話に息を詰める子供たち。真夏に冬の雪国の話を読むのもなんとなく好いものだ。ましてや金沢には足かけ十年ほど暮らしたことがあるから、多少の思い入れがある。最近はそれほど雪は積もらないが、むかしはずいぶん降ったようだ。

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