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2022年7月22日 (金)

映画三本

 本も読んでいるが、映画もぼちぼち観ている。昨日は久しぶりに三本観た。録画したものが溜まりすぎているからだ。

 

『ゴースト・ドッグ』1999年アメリカ・日本
 フォレスト・ウィテカー主演で『HAGAKURE』を読む孤独な暗殺者、ゴースト・ドッグを演じている。むかし命を助けられたマフィアの幹部に恩義を感じ、彼の依頼を受けているのだが、その依頼の一つがきっかけでマフィアを敵に回すことになる。日本というのはこういう理解も一つのあり方なのかもしれないが、陳腐だし、わかったつもりならとんでもない日本像だ。まあ目くじらを立てても仕方がない。

 

 マフィアの親分の無表情が笑わせながら不気味だ。マフィアの面々が戯画化されすぎていて、殺したり殺されたりすることにリアリティが全くない。積極的に推奨するような映画ではない。フォレスト・ウィテカーは嫌いではないのだけれどなあ。

 

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海』2016年中国
 日中戦争前夜の上海の暗黒街の話。とうぜん日本も関与するから日本人もいろいろ出てくる。ここでも、日本についての理解というのはこんなものなのかなあとほとんどあきらめの境地で眺めていた。組織の最重要幹部の義弟は日本人で、浅野忠信が演じている。ほとんど主演に近い。チャン・ツィイーがヒロインとして浅野忠信との絡みを見せる。この人は本当に不思議な魅力がある。

 

 ラストのシーンが効いていて全体が締まっている。戦争の残酷さ、暗黒街の掟の冷酷さがきちんと感じられる。

 

『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』2014年韓国・日本
 映画のテンポが微妙にぶれていて、没頭できなかった。せっかく西島秀俊を主演に使いながら、生かし切れていない。何より駄作映画のポイントである、ストーリー説明のための台詞が満載で、却ってなにが何やらわかりにくくしている。本で読むなら好いけれど、それを全部映画に盛り込むとこういうことになる。見る方は馬鹿ではないからわかるところはわかるし、わからないまま放って置いても仕方がないところもあっていいのだ。

 

 無意味に複雑で長い。お勧めできない。主人公はある理由からの記憶喪失の生化学者であるが、生化学者だから化学的知識があるはずであり、化学薬品全てに詳しいという設定は無理がある。いちおう私も化学屋の端くれなので。化学にもいろいろ分野があって、網羅的に薬品を瞬時に活用するというのは天才でも不可能だ。

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