暑さがこたえる
第四回目のワクチン接種が午後二時過ぎの予約で、炎天下、片道20分弱の道を病院まで往復した。余裕を持って10分前くらいに行ったが、待たずにすいすいと接種することが出来た。じりじりと照りつける太陽の下、まだ往きはよかったのだが、15分の待機が済んでの、日陰のほとんどない帰り道が遠かった。最後の5分は自宅のあるマンションが、歩くほどに遠のくような、一歩一歩がまことに重い気がした。
汗ぐっしょりになった下着を着替え、つけっぱなしにしてあったエアコンの効いた部屋で冷たい水を立て続けに飲んでようやく人心地がついた。熱中症寸前だったのかもしれない。前回の三回目のワクチン接種のあと、夕方になって不調となり発熱して夜中唸っていたが、今回はいまのところどうということはない。夜にならないとわからないけれど・・・。
涼んでいたらタイミングよく、頼んであった反町茂雄の『一古書肆の思い出』の第五巻が配達された。いま第二巻を読みかけだが、当初は全四巻(その時点で私は全て揃えて購入していた)の予定のところ、おさまりきれずに第五巻まで書いていたのだ。それを知って手配してあった。配達された第五巻を開いてみると、ここでもまだ昭和20年代終わりまでである。このまま行くと、たぶん第六巻、第七巻と書き継がれることになっただろう。しかし残念ながらこの第五巻を執筆中に反町茂雄は帰らぬ人になってしまった。だからこの本が彼の絶筆である。
本の世界の広がりの、私などの思いもよらないほどの奥深さを教えてもらっている。
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