うわの空
快晴猛暑の日々が続いていたが、来週は一転、雨交じりらしい。これだけ急に予報が変わるのだから、そのときにならないとわからないが、矢張り来週も猛暑という可能性もある。雨なら出かけようか、などと臍曲がりは考えたりしている。温泉はすいているし、雨なら部屋でゴロゴロすることに迷いはないではないか。
自分ではなにごとも真剣に考え、見てきたつもりだが、作家の随筆集をいろいろ読んでいると、見る集中度、真剣度がまるで違うことを思い知らされる。それから見れば、私などほとんど全てをうわの空で眺めてきたに過ぎない。そのことは海外、国内の旅行から帰って、撮った写真を眺めたときに気がつかされることが多かった。写真には写っているけれど、自分は見ていないもののなんと多かったことか。
いま身の回りを見渡しても、祖父母の米寿のお祝いに贈り物をしたお返しとしてもらった堆朱の壺でも、ただそこに置かれているけれど、よくよく見ればその彫り物の絵には物語があることがわかる。そんなこと気づきもしなかった。そのとなりには鳴子で買った現代風のこけしがある。そのこけしの本当の愛らしさを初めて知ったりする。
一度読んだ本を読み直して、初めてそこに心打たれることが書かれていることに気づくことが何度あったかしれない。自分がどれほどうわの空で生きてきたか、なんだか気が遠くなるほどの無駄を続けてきたのだといまさら気がついて愕然とする。目を覚まさないと行けない。
« 映画『デューン 砂の惑星』 | トップページ | アラメ御飯 »
こんにちは!
いつも、政治的なこと、本や映画の事等々。様々な事に造詣の深さに、コメント出来ないでいます。
俺も本は好きで読んでいますが、とても適わない読書量、それに感想ですね。
もっとも俺の読書は所謂小説の類が多いのですが・・・ただ、50代以降は作家の随筆等も読んでいます。さすがに作家の視点は違うものだと、共鳴したり納得するものが多いです。
今回、角田光代さんの「希望という名のアナログ日記」読みました。新聞に紹介された一冊だったからでした。
今後もブログ記事拝読させて頂きます。
投稿: でんでん大将 | 2022年7月 2日 (土) 11時36分
でんでん大将様
私も貴ブログを書かさず拝読しております。
マンションのベランダでは花といえばせいぜい小さな朝顔ぐらい、庭でさまざまに咲く花の写真に癒やされています。
どういうわけか少し前から小説がほとんど読めなくなりました。
一冊を一気に読む気力がなくなったのかもしれません。
それよりさまざまな作家の随筆を読み、ものの考え方やその人の人となりを感じたりするのが楽しいこのごろです。
投稿: OKCHAN | 2022年7月 2日 (土) 11時49分