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2022年7月12日 (火)

スリランカ

 第二次世界大戦後、インドは宗教によって、ヒンズー教のインド、イスラム教のパキスタン、そして仏教のセイロンの三つに分裂した。今は東パキスタンはバングラデシュとして独立したから、四つの国になった。

 

 そのセイロンは現在スリランカと国名を変えている。

 

 スリランカは経済が破綻し、首相が国家の破産を表明し、たとえばガソリンが高騰したどころではなく、手にはいらない状態になり、怒った国民のデモが官邸に押しかけたので、首相も大統領も逃亡した。国家のデフォルトということになれば、全ての借金は一時棚上げとなる代わりに、管理はIMFなどの国際機関が行うことになる。

 

 どこにどれだけの借金があるのか詳しいことは知らないが、今まで報道されている経緯から考えて、中国がスリランカにジャブジャブと金をつぎ込んで借金まみれにしたように見える。つぎ込んだ金はスリランカの国民には回らず、あの大統領の豪邸などにつぎ込まれたのだろう。無邪気に大統領邸のプールで遊ぶデモ隊の面々はどんな思いでいるのだろうか。警備の人間も警察も制止も出来ずにあきらめ顔で退去した。

 

 どういう事情があれ、国民は生きていかなければならない。これからどうするのだろうか。

 

 ところで中国はスリランカに権益を主張し続けるだろう。どれだけの港湾や土地や建物が中国のものとなってしまったのだろう。しかしそれらは中国がスリランカにつぎ込んだ巨額の投資に見合うものなのだろうか。スリランカ一国のことなら中国はびくともしないだろうが、中国は一帯一路政策で世界中に金をばらまいている。それらの国の為政者は打ち出の小槌を預けられたかのように贅沢三昧をしている(と私は考えている)。早晩スリランカの二の舞になるのではないか。そうなれば中国自身が打ち出の小槌を持っているわけではない(中国国民は打ち出の小槌ではない)のであるから、いつか行き詰まるだろう。

 

 それを内心で期待している自分がいる。早いほど好いとさえ思う。世界の経済はたいへんだろうが、このまま中国がのさばる(世界制覇を本気で夢見ているようにしか見えないからである)よりマシだと思っている。グローバリズムの終焉が近い。その始まりを告げるのがロシアのウクライナ侵略であり、スリランカの経済破綻だと思う。長い冬が始まろうとしている。

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コメント

こんにちは
「債務の罠」を中国が各地で仕掛けていることを考えれば、所詮人間はやられた事しか出来ない大したことのない生き物だということを痛感させられます。中国もかつては欧米にそれをやられていましたから・・・。
つくづく日本が賢明だったのは外国にインフラ整備を丸投げしないでほとんど自前でやったことでした(まあ、最初の頃はそのために外債募集などをしたそうですが)結果として「債務の罠」から逃げた日本が近代化をほぼ成し遂げたことを考えればその賢明さが今更ながら感じられます。
では、
shinzei拝

shinzei様
人間もサルと同様、マウントすることが最高の満足ということなのでしょうね。
欲望の極致とはけっこう動物的本能の達成ということですか。
わかりやすすぎます。

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