いかばかりの悲しみか
NHKの解説委員だった岩田明子氏が七月末に退職したと、しばらく前に知った。阿部元首相に可愛がられ、首相訪米の際などには随行して、的確な報告をしていた。確認した事実と、自分の考えとを明確に区別して語ることの出来るジャーナリストは案外少ない。
極めて理知的でありながら優しさを感じさせる彼女には、以前から好感を持っていた。誰よりも親しかった安倍元首相が凶弾に倒れたとき、最も語る言葉を持つはずの彼女は、しかし不思議なことにほとんどテレビの画面に登場しなかった。NHKに思惑があって登場させなかった、などとは思えないので、彼女がテレビに語れる状態ではないのではないのかと感じていた。そこにいないことで彼女の悲しみがいかばかりかと推察していた。
先日、夕方の番組でいつもの穏やかな様子を久しぶりに観て、安心した。ようやく衝撃から立ち直ったのだろう。そのときにはすでにNHKを退職していたという事になる。引き続きNHKの解説は適宜つづけるとのことなので、引き続き彼女の解説を聞く機会があるということである。
知性的な女性の魅力をこれからも手本として見せてもらいたいものだ。
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