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2022年9月 6日 (火)

映画『ファーザー』

 この映画で主演のアンソニー・ホプキンスは二度目のアカデミー賞主演男優賞(2020)を受賞している(一度目は『羊たちの沈黙』) 。認知症の父親(アンソニー・ホプキンス)に認識されている世界が描かれていて、見ている私自身がその主人公になってしまったような異様な感覚に陥る。認知症というのはこんな風に世界を見ているのだろうか。それぞれ人によって違うのだろうが、その混乱、苦痛は他人事に思えない。

 

 自分のいる場所についての認識が混乱する。現実と妄想が入り乱れて混乱する。時間が混乱して前後する。自分の知覚が正しいとしたら、世界の方が間違っていると考えてしまう。娘という唯一の現実とのつなぎ目で辛うじて踏みとどまっているのに、その娘も遠く離れて行かざるを得ない事態になる。もう一人いた、すでに死んだ娘の妹が生きていると思い込んでいるのは、死が受け入れられないからだろう。さまざまなことが断片化し、くり返され、変形して行く。統合されていたさまざまな関係が分裂していく。

 

 娘役のオリヴィア・コールマンに見覚えがあるが、どこで見たのか思い出せない。調べたら『ブロード・チャーチ 殺意の町』というイギリスのミステリードラマだった。

 

 この映画が認知症を扱っていることで、インパクトが強すぎる予感がして、見るのを逡巡していたのだけれど、思いきって見ることにした。認知症に自分がなってしまったら、という恐怖を感じさせられた。記憶に残る映画だ。

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