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2022年9月23日 (金)

保守反動評論家

 若いころ、臼井吉見の『蛙のうた』という本にいたく感銘を受けた。どこの何に感銘したのか忘れていたが、いまそのなかの『「第二芸術論」前後』という文章を読んでいてその一端を思い出した。

 

 この中で、彼が「内灘基地反対闘争」、そして京都の「旭ヶ丘中学騒動」について書いたルポの話が紹介されている。それぞれについて詳述するのは避けるが、そのルポは臼井吉見が観念ではなく、自分の見た事実、取材した事実を伝えたものであるが、そのために彼は保守反動評論家として激しい非難攻撃にさらされることになった。

 

 内灘闘争については、たまたまその頃、雑誌に連載されていた五木寛之の『内灘夫人』を断片的ながら読んでいて興味があり、その闘争についても多少は承知していた。また旭ヶ丘中学騒動については知らなかったが、この顛末については、私の伯父が北海道で高校の校長をしていた時代に、マスコミや日教組の教師達から激しい攻撃に遭ったことがあって、それを強く連想させたのだ。伯父からは詳しい経緯を彼の作成したスクラップで見せられたことがある。マスコミの誹謗中傷のすさまじさを改めて知らされた。そうしてマスコミは自らの事実誤認が明らかになると、潮が引くように知らんぷりで去って行く。

 

 自らのみを恃み、大軍を相手に自分を見失わずに孤軍奮闘する臼井吉見の姿に感銘したのだ。この『蛙のうた』はそういう話がいろいろ書かれていて、読んでいて気持ちが熱くなるのだ。本物と偽物の学者についてなど、良い勉強になる。人間にはプライドというものがなくてはならぬ。売名に走る人間が嫌いなのは、そういうものを読んできたからだ。

 

 臼井吉見は、右であっても左であっても真ん中でも、本物を認める評論家で、決して保守反動評論家ではないので念のため。

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