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2022年10月 3日 (月)

金井美恵子

 金井美恵子の『本を書く人読まぬ人とかくこの世はままならぬPARTⅡ』という本をひと月以上かけて読み終えた。この長い題名は、彼女の前衛的な志向によるものかもしれないが、あまり好きではない。この本には前衛的、反体制的視点から映画や文学を論じた文章が収められている。私とは相容れない面が多いのに最後まで読み終えることが出来たのは、自分の持たない視点を提示してくれていて、しかもそれを否定しないで読ませてくれる彼女の文章力による。それに彼女の映画についての知識の深さと観る力に敬服してもいるからだ。

 

 彼女の文章はワンセンテンスが異常に長い。意識的にそうしているのだろう。いいたいことを順番に、ではなく、並行的に同時に言おうとするとこうならざるをえないのだ、と彼女ならいうのではないか。開高健を論ずるところで、谷沢栄一(開高健の友人で評論家)の句読点だらけの文章を「心臓疾患か肺気腫で息切れしたような声に出して読まずとも苛々するリズムが薄気味悪い」と切って捨てている。どちらもどちらだから笑えてしまう。

 

 それでも、彼女が安岡章太郎の文章に一目置いて、やさしく書かれているのに奥が深い、と評しているのを読めば、好きな作家だけに共感もする。論じられている映画については古いものが多く、ヨーロッパのものが多い。彼女は私のちょっと年上だけれど、その観ている映画がちがいすぎで、同じ世界を観ることが出来ないのが残念だ。

 

 Amazonで調べたら、彼女の小説などを十冊まとめて安く買えるらしいのでちょっと食指が動くが、積んでおくだけになる可能性が高く、あきらめた。

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