嘘でも世の悪を正すためなら・・・
朝日新聞は従軍慰安婦について、自分は女性を拉致して集めたと証言したとされる吉田証言が事実無根の嘘だったことを二十年以上認めず、信用を失墜して購読数を減らした末に追い詰められて、ついにその間違いを認めた。その認めた間違いを韓国の新聞にも掲載すれば良かったと思うが、そういう話は聞いていないから、掲載はしなかったのだろう。韓国の新聞が自発的に掲載するはずもなく、いまでも吉田証言は韓国では慰安婦問題の根拠となっていると思われる。
テレビ朝日の社員でコメンテーターの玉川徹という人が、安倍元首相の国葬における菅前首相の弔辞が電通のシナリオによるものであると番組中に公言した。弔辞が感銘を受けるものだったことに水を差すことが彼の正義だったのだと想像されるが、そのコメントは全くの事実無根だったことが明らかになり、翌日、彼は同じ番組で謝罪した。
当初、玉川某のコメントに「そうだったのか」とか「やっぱり」とかいう賛同の声がたくさん寄せられたそうである。当然「事実誤認でした」という謝罪を聞いたら、自分が嘘にだまされたことに腹をたてると思っていた。ところが、テレビ朝日が彼を謹慎処分にしたことが報じられると、「電通を怒らせたから処分したのか」とか、「電通は政府より偉いらしい」とかいう批判が寄せられているという。テレビ朝日にとって、電通が政府より重視すべきものであるかについては知らないが、嘘をついた玉川徹という人に対して怒るよりも、謹慎処分にしたテレビ朝日を批判するという感覚にはついて行けない。
朝日新聞は吉田証言は嘘だったけれど、だからといって日本の軍隊の罪は消えない、と開き直った。朝日新聞に指摘されるまでもなく、日本の軍隊の罪は罪である。問題は事実検証もせず、吉田証言が途中で明らかな嘘であることがわかっていたのにそれを認めなかったことにこそ問題があるのであって、だから嘘をついてもいいということにはならない。それなのに謹慎十日で番組に復帰という処分は、私には軽すぎるように思える。朝日新聞とテレビ朝日は別の会社とはいえ、やはり根本は同じだなあと感じる。
今回はジャーナリストとして犯してはならない、嘘をついて事実であるかのように語ったこと、に問題があり、おとしめた菅前首相や政府、安倍前首相が嫌いだから、悪者だと思うから嘘をついてもいいのだという感覚こそが恐ろしいと思うのだ。そう思うから、今回の謹慎処分というのが私には軽すぎるとしか思えない。いままでも同様の虚言歴があるらしいし、これからも再び三度、拍手喝采の期待できると思う彼なりの「正義感」からの虚言を語ることだろう。
彼の言葉に賛同する人たちは、大本営発表という嘘八百を信じた人と正反対であるように見えて、実は同じ精神構造をしているように私には見えてしまう。
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コメント
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こんにちは
あるコメディアンがかつて言っていた事ですが、朝日新聞の記者には、ある共通した特徴があると言います。それは彼が朝日新聞の記者から取材を受けたときのことですが、彼が何か言おうとすると「それは違うと思いますよ」と言っていたことだそうです。つまりこの記者はすでに載せるべき文章を頭の中で作っていて、このコメディアンがそれと違う事を言えば(それが当たり前なのですが)それを否定する事で自分の作った文章をそのまま載せようとしていたと言います。だから「それは違うと思いますよ」と言ったのでしょう。
朝日に限ったことではないですが、こういう取材態度では支持が得られないのは当たり前でしょう。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2022年10月 5日 (水) 15時14分
shinzei様
それにしてもジャーナリストが自分は正しいのだから嘘をついてもいいなどと考えたら、ジャーナリストたる資格を失うしかないと思うのですが、それでもそれが十日程度の謹慎ですんでしまうということが信じられません。昔は新聞記者は羽織ゴロと呼ばれたらしいですね。
いまもその精神は変わらないのでしょう。
朝日新聞記者などの一部は、事実を伝えるのではなく、世の中の無知なバカを啓蒙するのが自分の使命だと思っているのかもしれません。
投稿: OKCHAN | 2022年10月 5日 (水) 15時36分