スイッチング脳
少し前に知った言葉だけれど、テレビで観たのかネットニュースで読んだのかも定かでないから、この言葉も正確ではないかもしれない。
スマホの見すぎによる子供の脳への弊害についての話だった。時間の長いほど害がありそうなのは想像がつくことだが、持っているスマホのアプリの数の多いほど害が大きいというところが注意を引いた。多少時間が長くても単一のアプリしか持たない子供は比較的害を受けにくいが、多くのアプリを持ち、それらをとっかえひっかえ楽しんでいる子供に害が大きいというデータが報告されているのだそうだ。
アプリを切り替えるたびにスイッチを切り替える必要がある。それをスイッチングといい、機械のスイッチをやたらに入れたり切ったりすることが機械を劣化させるように、脳にも障害をもたらすのではないかというのだ。
いかにもなるほど、と思わせる話であるが、私は問題点は別にあるのではないかと考えた。いくつものやりたいこと、しなければならないことを抱えていると、人間は何かをしながら別のことが気になって集中できない。そこで別のものに切り替えるがまた同じことが起こる。そうして気持ちが散漫になり、集中することで達成される成果が得られずに不全感ばかりが蓄積する。それがストレスとなってさらに焦りを生み気が散りやすくなる。そういうことが子供の脳に大きく悪影響しているのではないだろうか。
それは子供だけのことではないだろう。
私が気になったのは、私の本の読み方である。同時並行して何冊かを読み、読み飽きると別の本にスイッチするという読み方をしている。一冊を読了するまで読み続けるということは少ない。まさにスイッチを頻繁に入れたり切ったりしていることになっていないか。ただ、さいわいなことに、私は本を読んでいるときはかなり集中している。時間も周りの音も全く気にならなくなってしまう。その集中が途切れたときに別の本に切り替えるという読み方をしている。まだ大丈夫、と思いながら、しかし、最近集中力が落ちて気が散りやすくなったという懸念も感じている。
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