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2022年11月29日 (火)

懐古趣味か

 新聞を毎日読むようになったのは小学校の五年生くらいになったころだろうか。読むのは社会面、いわゆる三面記事だった。事件や事故の話が多いけれど、それでも多少は世の中についての窓になっていたように思う。新聞が読めたのは漢字が読めたからで、小さいときから本好きで漢字になじみ、読めなくてもなんとなく意味が通じたし、読みをうるさく聞くので、父が子供向けの辞書を買ってくれたこともありがたかった。

 

 戦前は新聞でも本でもルビ、つまりふりがなが振ってあったから、むつかしい漢字でも読むのに困らないし、ひとりでに文字を覚えることが出来た。戦後はルビをつけない代わりに易しい漢字しか使わなくなった。漢字好きの私としてはルビがある方がいいと思うが、ルビが復活する気配はなく、おかしなかな漢字まぜこぜ熟語が横行している。あんなものは奇っ怪なだけで熟語ではない。

 

 臼井吉見集を引き続き読んでいて、いま『戦後という時代』という、戦後1960年前後にいろいろな雑誌に書いた政治、社会時評、コラムのような文章を集めたものを読みながら、その時代を思っている。私は1950年生まれだから、ここに取り上げられた安保闘争、松川事件裁判、砂川闘争、内灘騒動、旭が丘中学騒動等々は、あまりまだ記憶に残るほどに成長していなかったけれど、雰囲気はよくわかる。社会党の浅沼委員長が刺殺された事件だけは明白に記憶している。

 

 その時代の空気の中にいたはずなのにその記憶がない時代を疑似追体験しながら、はたしてこれは懐古趣味なのではないか、などとも感じている。

 

 昔だって政治に無関心な若者が多かったけれど、いまほど無知な人が多くはなかったように思う。それとも、それは単にむかしはよかった、という過去を美化した年寄りのいつもの繰り言なのだろうか。

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