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2022年11月11日 (金)

呪いからの脱却

 次世代半導体開発生産の新会社が発足するという。トヨタ、ソニー、NTT、NECなど、日本のそうそうたる会社が名を連ねている。一時期世界をリードしていた日本の半導体は、凋落しつづけて韓国や台湾の後塵を拝するようになってしまった。彼らはあとから開発を始め、巨額の設備投資をすることで日本に追いつき、追い越していった。日本は自分で作るより、安く買えるなら海外から買えば好い、と首位の座を譲った(他にもアメリカによる暴力的な圧力もあったが、それはいつものことなのでいまさら言わない)。

 

 世界の主要企業のランクの多くを占めていた日本企業は、気がついたら世界ランク50位までにトヨタしかいないという状態になった。あの蓮舫女史の「一位でなければいけないんですか?」という呪いにかかり、日本の経営者たちは、競争に勝ち抜くよりも目先の利益を確保すれば自分の身は安泰なのだ、という楽な経営に甘んじた。リストラ、人件費の節約、設備投資の減少、そのはての日本の衰退である。これでどうして賃金が上昇することがあろうか。

 

 身を縮め、金を使わないことで会社を保持しようとすれば縮小するしかないのである。これは技術屋の発想ではない。こころある技術屋はそういう経営者と反目し、海外の会社へ転職していった。人材流出、技術流出である。経営者は高額の技術屋がいなくなって、ほっとしていた。私は営業員として中国企業や合弁企業に転職した技術者たちに会って、それを目の当たりにした。優秀な人ほど海外に行った時代がつづいた。日本の企業はなんとバカなことをしているのだと嘆いたが、私には何もできない。

 

 日本のデフレマインドというのはそういう時代の思想の結果であって、私から見ればただの負け犬根性でしかない。政府の経済政策がそれをカバーなど出来るはずはなかったのだ。「高くすれば売れない」というのは言い訳で、高くても売れるものを作るしかないのである。まさか原価を割らないにしても原価すれすれでいつか破綻する価格で売らなければならない商売なら、やめるしかないのだ。そんなあたりまえのことが物を作ったことのないマスコミの記者達には全く理解できない。値上げは悪だ、現に消費者が困っているではないか、国民が困ることは罪悪だ、という論理が長くつづいた(いまもつづいている)。テレビでは、値段が上がると生活が苦しくなる、というインタビューを人を変えながら百編返しで報じている。馬鹿ではないか。そんな国はどこにもない。だから日本だけ景気が回復しないのだ。

 

 これはあまり賛同を得られないかもしれない私の勝手な見方ではあるが、すくなくとも、もう一度次世代半導体にチャレンジしようという機運については大いに意を強くしている。何より、他国のサプライチェーンなど、これからどこまで信用できるかわからないのだから。呪いが解けると好いのだが。

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