人類に希望はあるのか
だいぶ前に放映されたNHKスペシャル、『新・映像の世紀』全6集を昨晩から一気観した。二十世紀初めの第一次世界大戦前後からはじまって、世界がどんな激動の時代を経験してきたのか、そのことをあらためて見せられた。放映されてすぐにも観ているので二回目である。今回は観たものから消去していった。近現代史を考える上で、貴重な記録なのであるが、あえて消去した。たぶんいつか再放送があるはずだ。
無惨な死体の映像などもたくさんあり、そういうものが苦手な人には辛いだろうが、人間というものはこういうことをするものなのだということを身に沁みて知るためにはひとりの大人として正視しなければならないと思う。
それにしても人間というのはどうしてこれほどまでに残酷なことをくりかえすのだろう。それが人類の中にある、除去できない宿痾であるなら、人類には希望がないような気がしてしまう。ウクライナで起きていることは特別なことではないのか。それとも特別なことがあたりまえに起きるのがこの人間の社会というものなのか。
オスマントルコの崩壊に関わった『アラビアのロレンス』の悲劇は、ヨーロッパというものの利己的傲慢性の表れで、中東の長い長い混乱はほとんどここに端を発していることを欧米は自覚しているのだろうか。彼らは正義を標榜するが、その手は血塗られている。そういう日本もそうだし、中国も同様だ。歴史を知らないか、意図的に知ろうとしなければ、常に自分は正義である。自らの汚れた手を直視しなければ世界には未来はないかもしれない。
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