キャッスル・ロック
先般、記憶に残る怖い話をいくつかこのブログに書いたが、スティーヴン・キングの『呪われた町』という小説を、最後まで読み切れなかった格別怖かった話として言及した。この呪われた町の名前がメイン州にある架空の街、キャッスル・ロックである。
そのキャッスル・ロックを舞台にした全十回のテレビドラマ『キャッスル・ロック』で、観たさは観たし、怖さは怖しで、録画したまましまい込んでいたのだが、ブログに『呪われた町』のことを書いたらつい観始めてしまった。結論から言えば、それほど怖くなかった。
このドラマはスティーブン・キングの小説をいろいろ関連させて新しい物語を構成しており、この町にあるショーシャンク刑務所や、キングの小説に時々登場する精神病院なども舞台になっている。なによりメインキャストの黒人弁護士の養母をシシー・スペイセクが演じているではないか。シシー・スペイセクといえばやはりキングの傑作『キャリー』の映画化版の主人公役だった。ラストシーンの怖さは忘れられない。
ショーシャンク刑務所といえば、あのティム・ロビンス主演、モーガン・フリーマン共演の『ショーシャンクの空に』の舞台である。この小説ももちろんスティーヴン・キングなのである。そのショーシャンク刑務所の所長が定年退職の日に奇妙なしかたで自殺し、そのあと使われていなかった棟の地下室で身元不明の青年が発見される、というところから物語が始められる。
キャッスル・ロックに関連している作品は初期の『デッド・ゾーン』、さらに『クージョ』や『スタンド・バイ・ミー』も含まれる。そのオマージュも各所に散りばめられている。次々に起きる災厄の数々、身元不明の青年の正体は・・・、そして町を離れていた主人公の黒人の弁護士はどうして呼び戻されたのか。彼の過去にも秘密があった。
説明落ちになりかけながら宙ぶらりんのままドラマは終わるけれど、それは物語の性質上当然とも言える。そして『キャッスル・ロック2』全十回も控えているのだ。こちらは『ミザリー』(映画はキャシー・ベイツが演じていた)の主人公らしき女性がメインキャストで登場するようで、しかもティム・ロビンスも共演するのである。続けて観ようかどうしようか。変な夢を見そうだなあ。
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