続・目についた中国のニュース記事
中国人民銀行の総裁が「穏健な通貨政策を精確に実施し、金融支援を強化する」と考えを表明したそうだ。中国経済はゼロコロナ政策によって減速し、投資が減少することで不動産バブルが崩壊しかかっている。不動産バブルで回っていた地方政府が多額の負債によって次々に危機に陥ると予想されている。ゼロコロナ政策のなし崩しの中止は外出規制に反発して騒いだ一部国民の行動の結果なのではなく、経済を回さないと大変なことになるという必然的な判断によるものだ。「金融支援を強化する」というのはそういう危機的な状態にならないように金を出す、ということだろう。
世界がインフレになっている。中国だって物価は上がっているだろうと思うが、中国は金利を上げていない。そのことを「穏健な通貨政策の精確な実施」といっているようだ。しかし、それは経済減速が起き始めているときに金利を上げることで景気をさらに冷やすことができないという事情によるもので、したくてもできないことをあたかも政策であるように言っているに過ぎないように思える。
ヨーロッパのインフレはエネルギーの不足高騰による要素が大きい。ところが中国はロシアの石油や天然ガスを買い叩いているから、そのぶん楽をしている。だからインフレもそれほどではないことが幸いしている。そうでなければもっと深刻な事態になって国民の不満が増大しただろう。
ゼロコロナ政策の緩和で中国のビジネス意欲が復活し、世界中に商談チームが次々に訪問している、というニュースを見た。まことに結構なことであるが、感染が急拡大しているというのが事実なら、中国が売ろうとしているものが問題なく生産できるのか、物流は大丈夫なのか、成立した商談が正しく履行されるのか、相手は心配だろう。
中国の学校では、「クリスマスは祝うな」という指導がなされているという記事を見た。これに対し「クリスマスはやりません。私たちは中国人です」とか「私は中国人です。西洋の祝日は拒否します」などと生徒が答えているそうである。よい子だね。習近平国家主席が「これからの中国共産党の中心的な任務は、中国式現代化をもって、中国民族の偉大な復興を全面的に推進することである」というありがたい教えに基づく教育方針なのだそうだ。
ところで、中国で急拡大中の新型コロナ感染は、分母がほかの国とはけた違いだから、それだけ変種が生ずる可能性が高くなる。弱毒化しつつあるとはいえ、突然強毒化した全く違うウイルスが出現しないとは限らない。歴史的に新種のウイルスは中国発であることが多い。今人類はその危険を迎えようとしているかもしれないのだが、その対応策は正しい情報を伝えようとしない国によって阻害されていることを忘れてはならない。悪いことは必ず隠すのがあの国だ。杞憂に終わればいいのだが。
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