大雪の便りを見て
大雪の便りというと、山形県の大蔵村肘折や青森県の酸ヶ湯がよく取り上げられる。肘折温泉にも酸ヶ湯温泉にも二度ほど泊まった。ともに一度は豪雪の中だった。肘折から北側の峠を越えたところが私の父の生まれ故郷である。同じような豪雪地だが、肘折ほどではないと父は言っていた。肘折の映像を見るとある懐かしさを感じるのは縁のない場所ではないからだ。
私は山形の大学に進み、米沢で暮らした。米沢も豪雪地帯である。学生時代は吹雪の中を街中まで三十分かけて飲み屋に行った。中途半端な飲み方では帰りの三十分で冷めてしまう。つい酒量も増えてしまう。地酒もうまいし、米沢は米沢牛が有名だからホルモン焼きをよく食べた。学生には正肉は贅沢であるし、ホルモンは種類も豊富で安かった。
もともと千葉県の生まれ育ちだから雪はほとんど降らない。だから雪が珍しいし積雪を喜んだりしたが、正月に千葉に帰省して再び米沢に戻るときは、福島からトンネルを抜けるごとに深くなっていく雪を見ると、さすがにちょっと気がめいったものだ。格技の部活をしていたので、冬は鍛錬のために雪の中を素足で走る。あの冷たさが今では懐かしい。毎年シーズンになれば冬タイヤに換えてわざわざ雪のある所に出かけるのは、そういう思い出に回帰するためであるようだ。
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