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2022年12月13日 (火)

ニュース勝手読み

 養老孟司が理解と解釈の違いについて書いていて(『ヒトの壁』)、なるほどと思った。詳しくは本を読んでほしい。理解は向こうからやってくるもの、解釈は様々な情報をもとに論理的に意味づけをすることか。だからニュースを見聞きして考えたことは解釈で、それらを見続けているうちにその全体の背後に動いている世の理(ことわり)のようなものが直感できたとき、それが理解とよべるものかもしれない。よくわからないけど。

 情報を集めるとき、それには限りがあるし、その情報も不十分なものである。そのうえ、見たくない情報はよけてしまうのが人の常で、すべてを網羅して考えることなどできないのだから、当然解釈は自己流にならざるを得ない。という理屈を一席申し上げたうえで、ニュースをいくつか拾い上げて勝手読みする。

 『サンデーモーニング』で、ジャーナリストの青木理氏がウクライナ侵略戦争についてロシアを擁護した、というネットニュースを見た。私はこの番組の立ち位置が妙なところに立っているように感じられて、最近はほとんど見ることはない。昔の日教組的世界観に似ているように感じられるのだ。だから青木氏がどのように語ったのか知らない。アメリカに問題があるような言い方をしたことがロシア擁護と解釈されたとも読み取れる記事だった。

  アメリカ批判は今回の戦争に直接的に関係するところというよりも、そもそものアメリカの過去の歴史そのものが現在の世界情勢、特にきな臭い場所での情勢に責任があるという意味であれば、私は青木氏に大いに賛同する。青木氏は今回のウクライナ侵略はロシアが悪いとも明言しているようではないか。アメリカは世界に禍の種をまき散らして大国である立場を維持している。それを列挙していけば、とてつもない長い箇条書きができるだろう。

 しかしそれでもロシアや中国と比べればまだましだ、ということも厳然たる事実なのだと私は思うし、多くの先進国もそう思っているのではないか。愚かでない人間などいないし、愚かでない国などない。血塗られた歴史を抱えていない国などないのではないか。程度の問題であるし、以前より少しでも良くしようという意志さえあれば希望はある。

 今習近平にもプーチンにもそういう意志は見られないし、希望も見ることができない。これは私がそう解釈しているということで、ほかの人に賛意を求めるつもりはない。アメリカを批判し、非難することはいくらでもできる。それがロシアのウクライナ侵略戦争に関連させて語られれば、どう受け止められるか、ジャーナリストなら百も承知のはずだろう。ロシア擁護、と指摘されるのである。

 好きでない青木理氏を擁護するようなことになってしまった。

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