アパルーサの決闘
西部劇映画『アパルーサの決闘』2008年アメリカを観た。監督・主演がエド・ハリス。共演がヴィゴ・モーテンセン、レニー・ゼルウィガー。西部劇映画らしい映画で、私は高い評価をしたい。もともとエド・ハリスが大好きだ。西部劇映画らしい西部劇ということは、男の価値観だけで成立している映画ということで、ここで女性の権利を主張しても始まらないが、たぶん女権主義者が観たらなんたる映画だ、と思うだろう。
そういう西部で生きていく女(レニー・ゼルウィガーが好演)が、節操がないのは自然の成り行きだろう。そういう女とわかっていながら大事にし続ける男のなんとかわいらしいことか。男の都合で世界が成立しているように見えるけれどほんとうにそうか。女はしたたかで強くてどうしようもなく愛らしい。
切っても切れない男の絆はあたかも同性愛に近い。そういう関係の男二人の仲は、女が関わってもびくともしない。それが何だかとても嬉しい。西部劇の人命は軽い。死ぬことについての怯えや恐怖を感じないものの方が、実は生き延びる。そのことの逆説を繰り返しいろいろな西部劇で観てきた。最後の最後での別れは必然的で、そこがとてつもなく切ない。
好い映画だった。
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