分断と民主主義
私の粗雑な頭は、ものごとを単純化することでようやく理解する。
アメリカは分断している、またはされている、などというとき、たとえばこう考える。百人のアメリカ人がいて、四十人が熱烈なトランプ支持者であり、四十人がトランプを嫌悪している状態を考える。残りはどちらでもない。そのとき民主主義は成立するか、多数決は成立するか。どちらでもない人間の奪い合いがあるだけだ。ここに平均的アメリカ人という概念は成立できない。
世界が宥和することを困難にしている分断というのはそういうものなのかと思う。
分断の顕著なアメリカについて、その歴史的背景を知るためにカート・アンダーセンという人の『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』上下二巻を取り寄せて読み始めた。ニューヨークマガジンの編集長でありコラムニストである著者は、先日来観ていた『サブカルチャー史 欲望の系譜』でなかなか鋭い批評を述べており、その著書としてこの本が紹介されていたので読みたくなったのだ。
まだ読み始めたばかりで、読了できるかどうか分からないが、帯に「狂信者の国家の物語 全米で話題のベストセラー!」とあるとおり、かなり刺激的で面白い。世の中にはいろんな本があるものだ。
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