護れない
東大の名誉教授という人のツイート文がプレジデントオンラインに取り上げられていた。前半部だけしか読んでいないし、丁寧に読んでいないからその真意を読めているとは思えないが、いささか引っかかったことだけを書く。
法哲学的に自衛隊はその根拠を持たないから、敵から攻撃を受けて侵略されそうになっても日本を護ることができないのだそうだ。法律の専門家が法の理論に基づいていっていることであるからそれは正しいのであろう。そういう意味では法的に自衛隊は国を護るためには不備な存在であるのだろうと思う。憲法を専門家が正しく読めばそうなのかもしれないとも思う。
自衛隊は日本が攻撃された時、侵略された時に日本を護るために存在している。日本人は普通そう思っているし、自衛隊員はそう教育され、戦うつもりだろうと信じてもいる。現実にそのような事態になった時、法理論的に間違っているのだから自衛隊は戦うな、と誰が言うのだろうか。この東大名誉教授は法のために身を挺して反対するのだろうか。それに賛同する野党の人たちも自衛隊に戦うなと言って立ちはだかるのだろうか。
法と国家の危難の回避とどちらが優先するのか、私には自明な気がするが、そうではない人もいるのだろう。平常時と戦時ではとうぜん法の適用は変わる。考えるべきはそのけじめについての検討だろう。戦後、日本は戦時を想定してこなかったからその検討もなされていない。検討しようとすると野党に猛反対されてきたのを見て来た。この名誉教授が、それに警告を発して、検討すべきだといっているということなら納得できる。
それにしても福島瑞穂の「平和を守る、平和な日本を守る」という、お経のように繰り返されることばがむなしく聞こえるのは私だけなのだろうか。お経を唱えれば救われるというのならありがたいことで、その法力でウクライナとロシアに行ってもらい「平和を守る、ウクライナを守る」と唱えてもらいたいものだ。
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体力・気力も含めてほぼ以前の日常生活を取り戻されたようですね。
ご同慶の至りです。今後ともご自愛を。
ところで。
呆れるほど繰り返される福島瑞穂の「平和を守れ、九条を護れ」は
左派界隈としては共通の認識で主張としているのでしょうが
では、、ウクライナのような予期せぬ戦禍に遭遇した時、
国(日本)を護れなかった時はどうするのか,
その場合、国民は悲惨な現実を甘受するしかないのか。
政治家なのにこうした視点が欠落し、沈黙しているのには驚くばかり。
ご紹介の東大名誉教授(法哲学者?)の言説の詳細は知らないのですが
良くも悪くもこれが戦後民主主義の現在地であることは確かなようですね。
投稿: ss4910 | 2023年3月26日 (日) 09時51分
ss4910様
非常事態には現実が空論を吹き飛ばしますから、こういう空論が語れるのは平和なしるしなのでしょうね。
しかし、非常事態を想定外として思考から排除するという姿勢は、そろそろ考え直さないといけないと思います。
福島第一原発の事故は、原発は絶対に事故を起こさないという神話がもたらしたもので、東京電力にそれを強いた側にも責任があると思います。
そう言わなければ原発は稼働させないという姿勢が、想定外について論じることを封印してしまったのですから。
戦争についても同様でしょうね。
投稿: OKCHAN | 2023年3月26日 (日) 11時56分
おはようございます
結局今の左翼政治家にはリアリティーがないのでしょうね・・・。
よくこういう人たちは「平和外交だ」と言いますが、外交的なパイプがなく(これは前任者たちが国民の盲目的な支持のもと見事にぶち壊したのが実情ですが・・・)軍事的な裏付けがない状態で可能だと思っているのでしょうか?結局は与党(自民党)を困らせるためだけの空論にすぎないでしょう。
政治家もそうですが、私たち国民一人一人もリアリズムを持たなくてはならない時代がきたと思うのですが・・・。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2023年4月 2日 (日) 06時46分
shinzei様
現実が法理論的に間違っている、といいたいのでしょうが、現実は現実で、その現実を離れた論は成立しないということを忘れているように見えます。
現実に立脚しない出発点から何かに対する対処は不可能でしょうね。
投稿: OKCHAN | 2023年4月 2日 (日) 07時06分