茹でガエル
茹でガルの話はもちろん知っていたが、この話は百田尚樹氏によって、平和ボケした日本人のたとえに使用されて有名になった。いま読んでいるカート・アンダーセンの本に、そのことに言及してさらに註釈がなされていた。
実際のカエルは、鍋の湯が熱くなる前に跳び出す。しかし、カエルにまつわるこの決まり文句が生まれるきっかけになったとされる19世紀の実験では、カエルは茹だって死んでしまう。それもそのはずで、この実験では、カエルの苦しみを最小限にするため、カエルの脳を事前に摘出していたという。現代のアメリカ人も、合理的な思考ができないという点で、このカエルのようなものである。
何らかの事前処置を(不断に)受けていることに気がついていないのは、アメリカ人だけではないと思う。快適なぬるま湯の先に何があるのか、少しは知ろうとしないとあぶない。
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