知のインフラ
国立科学博物館が資金不足で維持が困難になり、クラウドファンディングをつのったら、目標一億円をたちまちのうちに超え、六億円を超えているらしい。たいへん嬉しいニュースである。しかし、このような文化的な施設が軒並み維持困難になっているといわれ、施設の補修もままならないという。日本の知のインフラが危機にある、とコメンテーターが言っていたが本当にその通りだと思う。
どうしてそんなことになっているのか、そんな文化的なものに価値感を持たない国民が多いということだろう。価値感を感じなければ関心も興味も持つはずがない。日本の文化度がもともと低かったわけではないと思いたい。文化度は低下しているのだと私は感じている。国民が関心のないものに予算が配分されるはずがない。日本の文化的なものに掛ける予算はフランスの十分の一だという。あまりのことに言葉がない。
日本はどんどん文化度が低レベル化しつつあるのだろう。それについてはいささか思うところがあるが、いまは論じない。日本の文化度の低下に危機感を感じている人は少なからずいる。だからクラウドファンディングに応じる人がこれだけいたのだろう。関心のない多くの人は、そういう人は勝手にすれば、というところだろう。損得、好き嫌いをもとに教育してきた結果がこれである。文化の価値などというとたちまち軍国教育だという自動機械みたいなリアクションがあるから、古い文化遺産を評価したり伝統を伝えていくことがますます困難になっていく。せいぜいバーチャルに生きたらよかろう。
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