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2023年8月19日 (土)

『MEN 同じ顔の男たち』

 旅から帰って、それなりにぽつりぽつりと用事がたまったけれど、片付ける気にならなくて先延ばしにしていた。あまりたまると収拾がつかなくなるのでそろそろひとつずつ処理しなければならない。毎日が日曜日の日々とは言え、生きているからには用事は常に生じるもので、いつまでもぼんやりとばかりはしていられない。

 

『MEN 同じ顔の男たち』という2022年アメリカ・イギリス映画を観た。分類から言えばホラー映画、不条理映画というところだろうか。ホラー映画はあまり好きではないが、若い時はけっこう観た。傑作も多い。ホラーを見るにはそれなりのエネルギーがいるので、今はよほどのことがなければ観ない。今回は「W座からの招待」での選定映画なので、はずれはないと思って観た。

 

 冒頭に衝撃的なシーンがあり、その心を癒やすために主人公のハーパーという女性(ジェシー・バックリー)は田舎の村はずれにある山荘にやってくる。そもそもそういうところに一人で行くことが癒やしになるのかと思うが、別に不思議ではないのだろう。物騒だし、いくつもの部屋のある山荘の夜など気味が悪くないのだろうかと思う。管理人の案内をうけ、満足した彼女は、翌朝山荘周辺の散策に出かける。緑に溢れる森の中の迷路のような小径を歩き、古い鉄道跡のような不気味なトンネルにたどり着く。そこで声を出すとこだまがいくつも帰ってくる。ここで「ハーパー」と彼女が言うと「ハーパー・・・ハーパー・・・ハーパー」とあたかも彼女に語りかけるように聞こえる。この「ハーパー」が、映画を見終わったのに耳について離れない。

 

 さまざまな男たちに出会う。女性はひとりも観ない。少年や司祭、酒場の男たち、それらはすべて管理人と同じロリー・ギリアが演じているのだが、全く違う扮装なのでうっかりすると全部違う人間に見える。当然ハーパーも同じ顔の男だとは気がつかない。

 

 そうして小事件が起こり、警官がやってきて、山荘へ侵入しようとした全裸の男が逮捕される。もちろん全裸の男も警官もロリー・ギリアが演じている。もともと不気味な気配が、ここから一気に濃厚になっていき、彼女の回想シーンでなぜ彼女がひとりで来たのか、冒頭のシーンの説明に繋がっていく。

 

 最後はホラーと言うよりも、呆気にとられるような奇妙な、グロテスク(ここまでシュールだといっそ芸術的だ)なことが連続し、逃げ回っていたハーパーもついに反撃する。彼女を襲うのは何か、彼女は何を目にすることになるのか。もちろんホラーだからつじつまなど合わなくて、どんな解釈も可能だろう。ちょっと夢に出て来そうな粘着性のある映画だった。出来はかなりいいと思う。

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