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2023年10月28日 (土)

新聞

 曾野綾子のエッセーを読むようになったきっかけのひとつは、『夜明けの新聞の匂い』(新潮社)という本だった。『新潮45』という雑誌に連載されたものを編集した本だが、シリーズ化されて、その後、店頭で見かければ継続して購入してきた。子どものとき、郵便受けの新聞を取りに行って毎朝父に手渡した。いつのまにか父より先に新聞を読んで、「まだか」と催促されるようになった。そのときの新聞のインクや紙の匂いは記憶に残っている。

 

 その本には「日々の報道にひそむ偽善や誤りにやわらかく鋭く迫る・・・」などという惹句があった。しばしばそう言う指摘にいまも共感することがある。ところで、新聞を購読しなくなって十年だと思っていたが、どうも単身赴任をするようになって何年かして、週末に帰ってくるたびにまとめて読むのに疲れて購読をやめたような気がする。それなら二十年近くになるかも知れない。勤務していた営業所では新聞を取っていて、朝すこし早く出勤して読んでいたから、いまのように新聞を読まなかったわけではない。

 

 毎日ではないが、久しぶりに新聞を読んでいる。今日は今週で三回目。散歩のついでにコンビニで買う。読売、朝日、中日新聞の一紙か二紙を買って比較しながら読む。産経新聞も読んでみたいがコンビニにはおいていない。今日は三紙を買った。三紙で470円、案外な出費である。李克強の死をどう伝えているのか、それを比較して読みたかったのだ。丁寧に読むと半日かかる。読みたいところではないところでも思わぬ思考の材料にあたったりする。やはりネットニュースとはずいぶん違うと改めて感じた。

 

 新聞を購読するかどうか、引き続き思案中である。

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コメント

こんにちは
佐藤優氏の話によれば、新聞一紙を隅から隅まで読むと、新書2冊分の文章を読んだことになるそうです。今だいたい新書は新本で千円くらいですから二千円分の文章を百五十円かそこらで読めるというのは安いのかも分かりません。ただし、それが”まともな”新聞であるかが問題ですけれど・・・。
では、
shinzei拝

shinzei様
まともなところだけ読めばいいし、まともでないことを知ることも考える材料になりますから、悪くないと思います。
ネットニュースよりはだいぶマシですし、バイアスのかけられ方も見え見えで、わかりやすいです。

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