犬王
昨日観たもう一本のアニメ映画が『犬王』(2022年・日本)。世阿弥と同じ時代(南北朝から室町初期のあたり)に型破りな能を演じた犬王(いぬおう)という実在の人物をモデルにした物語らしい。とはいってもアニメである。こちらも型破りで、実写では不可能な映像をふんだんに見せてくれる。さらに音楽が現代ロックと琵琶法師の琵琶をヒュージョンさせたものだから、斬新である。
音楽や映像を楽しむのならずいぶん楽しめるだろうと思うが、ロック調に語り歌うその言葉が聞きにくくて、というかほとんど聴き取れなくて、仕舞いにはやかましくさえ感じてしまった。歳とともに耳が悪くなって、音量の問題よりも音の聞き分け、解像度が著しく低下していて意味が取れないのである。
冒頭は壇ノ浦に沈んだ三種の神器の一つ、草薙剣を引き上げるところからはじまるのだが、それを発見した少年が、太刀の呪いで父は死に、自分は失明するという悲劇に遭い、そのあと辿る数奇な運命が物語の背骨である。
全体として面白い物語になっているのだが、なにしろ歌が聞き取れないためにおもしろさの半分が損なわれて、私にとっては残念な映画になった。字幕があったら良かったのに。若い人は案外楽しめて、なおかつ能の世界のイメージをつかむ端緒になるかも知れない。
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