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2023年11月 9日 (木)

中国近代史の断片

 西安郊外の華清池は唐の時代の皇帝の避寒地であり、白居易の『長恨歌』に

 

 春寒うして浴を賜う 華清の池、
 温泉 水滑らかにして 凝脂を洗う
 
と歌われた、玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスの場所である。

1010-184 華清池にある小さな高楼、湯上がりに涼みながら楊貴妃が月を眺めたかも知れない

 そして同時にここは、蒋介石を張学良(張作霖の息子)が拉致した「西安事件」の場所でもある。これによって国民党と共産軍が協同して日本と戦うという国共合作がなり、日本は中国大陸での野望が頓挫することとなる。

0403124_20231108105201 蒋介石かひそんでいた場所の窓硝子に残る、そのときに撃ち込まれた拳銃の弾孔

 東北を支配していた張作霖が関東軍によって爆殺され、日本の中国での権益拡大の弊害を取り除いたはずが、まったく裏目に出たのだ。もともとの無理があったところに目先だけしか見えない行動の積み重ねが日本を泥沼に落とし込んでいく。

 

 浅田次郎の『中原の虹』全四冊の半分は主に張学良に関するものである。その張学良が百歳まで台湾で生きたことを知った。いま読んでいる澁谷由里『「漢奸」と英雄の満洲』(講談社選書メチエ)による。この本の帯には、その浅田次郎が賛辞を寄せている。

 

 満洲国に関わった五組の親子二代の人物が取り上げられ、満洲国とはどんなものだったのか、同時に中国の近現代史とはどんなものだったのかが人物の運命とともに読み取れるようになっている。

 

 中国共産党一党独裁の現代中国がどのように建国されたのか、その原点を知るためには中国近代史を知らなければならない。それは同時に日本の歴史とも大きく重なる時代でもある。読みやすい陳舜臣の『中国近現代史』は残念ながら四巻のみで未完である。いろいろな本で断片的に読んでいるが、私の頭の中では全体がきちんと配列されていない。今回読んでいる本はそういう意味でそのつなぎになりそうだ。

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