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2023年11月16日 (木)

陋巷にあり

 前回のブログに関連して。

 

 陋巷にあり、というのは、論語の中で孔子が弟子の顔回を評して、語った以下の言葉から採られている。

 

 子曰く、賢なるかな回や、一簞の食(し)、一瓢の飲、陋巷にあり。人はその憂いに堪えず。回や其の楽しみを改めず。賢なるかな回や。

 

 有名な一節なので、多くの人が言葉も意味も知っていることだろう。あえて手許の加地伸行訳を以下に引用する。

 

老先生の評価。聡明である、顔回は。その食物はわずか、飲み物もわずか、そして貧乏な裏町暮らし。ふつうの人ならそのつらさに堪えられない。ところが、顔回は、そこにある楽しみを改めない。(その楽しみを知るとは)聡明だな、顔回は。

 

 小説の酒見賢一『陋巷にあり』全十三巻は私の宝物である。登場人物たちはこの物語の中でリアルに映像的に生きている。それなのに私の印象では、主人公の顔回だけは茫漠としている。そのことに最初少し戸惑ったのだが、実は顔回に感情移入して、読者自身が顔回になって読むのがこの物語の読み方なのだと勝手に考えることでおもしろさが倍増した。それが正しい読み方かそうでないかは知らない。

 

 それでよかったのかどうか、もう一度読み直したい気がしている。こんな面白い本はないので、是非読んでほしい。

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