『ジウX』
目的のためならどんな残虐なこともする秘密組織があり、その全貌はだれも知らない。その闇に対して陽画のように浮かび上がる歌舞伎町セブンという暗殺グループがいて・・・。というジウシリーズの描く世界は、最初から読んでいないとわかりにくいかも知れないが、すでに私にはそのものがたり世界が定着しているので、シリーズ最新作のこの400ページあまりの小説、『ジウX』(中央公論新社)を一気に読了した。
ここでのサブテーマはウイグルなどで中国政府の行っている民族浄化や、中国人が買い占めている日本の土地問題、そしてデジタル侵略だ。それに対する反撥で行う殺人に正当性があるかどうか。あるはずがないし、それでは中国と同様な蛮行になってしまう。
強力な敵に対して無理やり関わることを余儀なくされた歌舞伎町セブンの反撃は果たしてどうなるのか。戦いにはいちおうの結末はあるが、まだまだ物語は続く。
深夜になる前に読み終えたのはよかったのだが、三時前に眼が覚めてしまい、眠れなくなった。だからバーネットの『秘密の花園』を読み始めた。まったく毛色の異なる物語で、両方面白く読めるのが我ながら不思議だ。この調子だと昼間に読み終えてしまうので、もったいないから半分読んだら夜読むために残しておこうと思う。
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