きりがいいので
私は1950年(昭和25年)生まれで、きりがいいので西暦の何年、といわれるとすぐ自分のそのときの年齢がわかるので都合がよい。1980年の、といわれれば、ああ自分が30歳のときか、とすぐその時代を実感的に連想できるのだ。
NHKBSの『世界サブカルチャー史 欲望の系譜』の第三シーズンは日本である。1960年代から1990年代を十年ごとにその時代のサブカルチャーをたたき台に語っていく。まさにリアルタイムで私が子供から大人に、そして社会人として生きた時代をサブカルチャーから回想することができるのだ。第三回が終わって、次回は第四回の1990年代である。
第一シーズンはヨーロッパ、第二シーズンはアメリカだった。世界の現代史を実感するのにサブカルチャーから眺めるというのは具体的で、たいへんわかりやすくてありがたい。現代史は自分がその中に存在しての歴史ということが感じられる。とくにその時代の映画が取り上げられると、半分以上はリアルタイムで観ているものなのでそのときの思いが甦る。
ところが、自分自身が最もその渦中にいた日本についての話が、却ってアメリカやヨーロッパよりも少し遠いものに感じたのは不思議なことである。あまりに自分と近すぎて相対化できていない、歴史としてみることができないということなのだろう。それは過去ではなく、まさに私自身にとっての現在(いま)だからか。
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