代価
いま何冊か並行して読んでいる本の一つに曾野綾子『夜明けの新聞の匂い』(新潮社)がある。曾野綾子のエッセーを読み始めたきっかけになった本で、初版は1990年。久しぶりの再読である。この本で彼女のものの見方や価値観に共感するものが多いことを知り、そのあと彼女の本をずいぶんたくさん読んできた。だから影響も受けている。
その本の中の一節。
旅行は必ず危険が伴う。旅行だけではない。総てのものは、出費、労力、疲労、時間の消費、心労などの代価を必要とする。危険もまたその代価の一つである。代価を払わない人は何一つ手に入れることができない。それが高いものか安いものかを判断するのは、その当人以外にない。
だから、危険の要素のない生活をしろ、というのは、本当の意味で生きるな、というに等しい、と私は思っている。
まことにその通りだと思う。車で遠出することもそれらの代価を伴う。その代価よりも得るものが多いかどうか・・・。私は大いに得るものが大きいと満足している。
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