映画『窓辺にて』
映画づいている。映画『窓辺にて』は2022年の日本映画。監督・脚本は今泉力哉、稲垣吾郎が主演。観て好かったと思えた映画だった。稲垣吾郎というタレントを、俳優としてすぐれていると以前から思って評価していたが、この映画でさらに評価を高くした。
この映画の良さは静かであることだ。静かで間が多く、必要最小限の台詞が好い。好い台詞が生きるためには俳優の言葉が明晰でなければならない。日本映画にはしばしば台詞が明晰でないためにぶち壊しになっているものが多いが、この映画はすばらしい。
妻の浮気を知りながら、自分が感情的にならないことに奇妙な思いを抱く主人公を、稲垣吾郎が好演している。この映画はある意味で私の苦手な恋愛映画といっていいのだろう。しかし長い映画なのに少しも冗漫な感じがせず、映像も美しい。説明的な部分を極力削って、見ている方が感じることが期待されている。わかりにくい主人公の気持ちが私にはわかるところもあった。こういう気持ちがわかる女性とはたぶん話が合いそうな気がする。
このところあたりの映画が続いていて気分が好い。
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