映画『ボルベール 帰郷』
随分前に録画してあったこの映画を、私は『望郷』(1937年・フランス)と混同していた。観始めてこの映画がスペイン映画であることを知った。2006年制作で主演はペネロペ・クルスである。
三世代の女性が関わる出来事がつぎつぎに起こって、ついには過去の火事の事件の真相が明らかになっていく、というストーリーが展開する。取り上げ方によってはミステリーみたいなものになりそうだが、ミステリーではない。チャールズ・ブロンソンの出演する名作『雨の訪問者』(1970年・フランス)をちょっと連想した。ヨーロッパテイストというところか。
物語は一体どうなっていくのか予断を許さず、最後まで観客を引っ張っていきながら、最後にはそれなりにおさまってしまう。勧善懲悪ではないところがしゃれている。題名の『帰郷』はペネロペ・クルスの歌う哀切な歌の名で、物語をそれとなく関連させて、なかなか心に沁みる。
最初の、高齢の伯母を訪ねるために出かけるシーンからは、そのあとの展開はまったく予想させないが、見ていると惹きこまれる。面白かった。
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