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2024年1月28日 (日)

苦笑

 いま読んでいる本の一節に苦笑させられた。

 

 ここ数年、「現代日本は危機である」という言葉にたびたび出会い、私は辟易している。いつの時代であれ、知識人にとって現代は危機であろう。なぜなら社会に危機的課題がない限り、警鐘を鳴らすことを稼業とする知識人は商売が成り立たないからだ。時代に批判と否定の言葉をつらねることが、彼らの生業を支えている。まことしやかに時代の危機を叫び、それに気づかない大衆(?)を軽蔑、罵倒していない限り、彼らは飯を食い損ねる。

 

 これは私がいま集中的に読んでいる何人かのひとりである先崎彰容の『維新と敗戦』(晶文社)という本の一節である。半分ほど読み進んだところだ。苦笑したのはそのような知識人たちの言説に乗って、知識人でもない私も「日本は危機的だ」、「日本の未来は悲観的だ」、などとこのブログに書いているからだ。もちろん先崎彰容もその知識人のひとりであることも事実である。ただ、先崎彰容はこのように書く自分自身を、自分が指摘する知識人のひとりだと自覚していることだけは間違いがない。

 

 この本が彼の本の五冊目で、未読の手持ちはあと一冊、さらに二冊ほど読みたい本があるのだが、取り寄せるのは少し先にするかどうか迷っている。いま読んでいる本については読了したら報告する。とにかく彼の本を読むと、自分の見えていたもの、思っていたものが少し変わることだけは確かなので、読むのが楽しい。彼の本は、彼の思索の跡をたどることによって、自分では歯ごたえがありすぎてかみ切れなかったものを理解することができるというありがたさがある。そういうところは私にとって森本哲郎に似ている。この本の中で読んでおくべきであると紹介されている本がたくさんあって、十冊くらい読みたい本があり、取り寄せたくなっている。こうして身の程知らずに手を広げすぎて、鼠花火みたいになって燃えつきていくのが見えるようだ。

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