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2024年1月22日 (月)

北東北

 津軽半島や下北半島などを走り回るのは、ほんとうに旅をした気持になれて好きである。遠いから日数も必要で、現役時代は行くことが出来なかった。リタイアしてから都合四回行った。三四年に一度は出掛けていることになる。

 

 テレビで司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズの、『北のまほろば』を取りあげた番組を観た。ずいぶん昔にも十三湊を主題にしながらドキュメント的に取りあげたものがあったが、それとは別の令和版で、佐々木蔵之介が実際に訪ね歩いていた。

 

 北東北については思い入れがありすぎで、こういう番組を観ているとまた行きたくなってしまう。青森の三内丸山遺跡や各地に残る縄文の遺跡や痕跡、津軽半島突端の竜飛岬、下北の恐山や仏ヶ浦を始め、また行きたいところが山のようにある。

 

 どういうわけか弘前には学生時代に一度行ったきりで、リタイア後には通過するだけである。格闘技の部活をしていて、部活仲間のひとりが弘前出身だった。小柄で非力な男だったが、真面目で淡々とケイコをしていて、いつの間にかシャープな技を繰り出すようになっていた。彼の実家を訪ねてそのときに弘前城を見て一目で気に入った。卒業後には手紙のやりとりもしばらくしたが、いつの間にか互いに音信不通になった。それ以来弘前を歩いていないので、無性に行きたくなっている。

 

 番組では五所川原(正確には金木)の斜陽館が取りあげられていた。津軽といえば太宰治で、彼の著作にも『津軽』という文章があり、それが紹介された。棚からその本を引っ張り出して序編だけ拾い読みした。彼の文章がここまでしみ通るように読めたのは久しぶりな気がする。きちんと最初から読み直そうと思う。

 

 橘南谿の『東西遊記』や菅江真澄の『遊覧記』などの紀行文でも、北東北のくだりは心に沁みる。菅江真澄の足跡を訪ねて男鹿半島から北上したこともある。もう一度読み直しながらゆっくり旅をしたいと思うが、さて、どうしようか。なにしろそのあとに六角精児の『呑み鉄本線日本旅』の日南線の再放送を観て、南九州に行きたいなあ、などと思ったりしているのだから、どうなるかわからない。

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