『ハルカの光』
NHKの連続ドラマ『ハルカの光』全五回が終了した。照明がテーマという珍しいもので、一話三十分で誠に手頃でありながら一話ごとに余韻の残る好いドラマだった。これは再放送らしい。主演の黒島結菜は朝ドラの主演もしていたけれど、絵に描いたような自己チュータイプに見えて好感が持てなかったが、その見かけのまま、何かにのめり込む役柄をはまり役で演じていて、こういう女性の良さを見直させてくれた。
好きなものにのめり込む人は他人の感覚に対する共感を持ちにくい。自分の好きなものを押しつけてしまうところがある。ところがその中に、そこまで言うのだから好いものなのかもしれない、と思わせる純粋さが伝わることがある。そのとき、本物の心の通い合いが起きる。意識せずに相手の琴線に触れているのだ。だからドラマは黒島結菜の自己チューさを受け止めうるだけの相手役を必要とする。各回渋い名優(イッセー尾形もその一人)が登場してその人の人生を、蘊蓄付きの素晴らしい照明器具が浮かび上がらせる。
最終回は彼女の明かりへのこだわりの原点である船の明かりがすべてを締めてくれた。
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