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2024年3月28日 (木)

『ザリガニの鳴くところ』

 『ザリガニの鳴くところ』は2022年のアメリカ映画。同名の原作小説が元になっている。見終わって、映画らしい映画を見たなあという感想である。ノースカロライナ州の湿地帯で、近くの町の若者の死体が発見され、やがて近くの物見台から転落したことがわかる。事故か他殺なのか、判然としない事件だったが、この湿地帯には「湿地の娘」と呼ばれる若い女が独りで暮らしており、彼女はその男と関係があったという噂もあって、彼女が疑われ、やがて逮捕されてしまう。

 

 彼女は町の人々から差別されて生きてきた。彼女に同情するものはわずかである。弁護士は彼女に詳しい話を聞こうとするが、彼女は投げやりな態度であり、最初からあきらめているかのようである。減刑を狙う作戦ではなく、無実を争うしかなくなる。留置場で彼女の長い回想が始まる。もともと家族で湿地帯の家に暮らしていたが、専制的な父親の暴力に耐えかねて母は家を出てしまう。やがて彼女の兄や姉たちも去って行き、父と二人だけになる。そしてついに父も行方がわからなくなり、彼女は独りになってしまう。町の福祉課が彼女を施設に入れようとするが逃げ回り、湿地暮らしを続けていたのだ。

 

 そんな彼女の気持ちをよくわかっていたのは町の雑貨屋の夫婦で、彼らの支えで彼女は生き抜いていく。そんな彼女にも心を通わせる男が現れる。だが彼も大学進学を機に町を離れてしまう。そして帰るといった日に彼は帰省せず、それきりになってしまう。そうして再び孤独の日々か続く。そして彼女に関心を持って近寄ってきたのが、転落して死んだ男だった。

 

 果たして彼女が殺したのか、それともほかの誰かが別の理由で殺したのか。彼女を裁くための裁判が始まる。陪審員は町の人々であるから彼女に最初から偏見を持っている。不利な情勢の中、判決はどうなるのか。息詰まる展開、疑いと反論が繰り返され、判決が言い渡される。

 

 結末はほぼ予想通りで、真剣に見ていればわかるだろう。わかるように作られている。

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コメント

佳い映画でした。
煩い絶叫もなく、激しいアクションもなく、、
緩みのない緊要感を維持しながら観るものを巻き込みつつ、ドラマが進んでいく。
「映画らしい映画を見たなあ」というのはおっしゃる通りですね。
デイジー・エドガー=ジョーンズ、デヴィッド・ストラザーンも好演。
原作が読みたくなりました(一緒に見た家人がさっそく図書館に予約)。

ss4910様
観客動員数は想定より多かったといいます。
ところが批評家の評価はいまいちだったようです。
理由は想像がつきますが、見た後に好い映画だったと思えればそれでいいのだと思います。

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